2010年09月01日
サービス残業の危険性
労働時間管理の意味
従業員の出勤・退勤・残業など労働時間の管理を行うことの意味は、従業員の健康管理を行うことにあります。それは、会社(使用者)による安全配慮義務という形での義務があるからです。
近年、長時間労働により従業員が健康を損ない、うつ病・休職などになるケースが見られますが、安全配慮義務違反に関しては過去にも多額の賠償金が支払われています。平成12年の電通事件では長時間労働による過労自殺に対し、1億6800万円という金額が示されました。
電通事件でも問題になったのは、会社による労働時間管理でした。会社側が示した労働時間と実際の労働時間とはかけ離れていることで、会社の労働時間が実態とは異なるものであったと判断されました。
会社の主張する労働時間 VS 従業員の主張する労働時間
会社が「残業してはいけない」と指示し、従業員は先にタイムカードのみ打刻し、残業をする・・・
実はよくあることです。
長時間労働に関する訴えが出された場合、多くの裁判で見られる傾向ですが、会社側はタイムカードや出勤簿の記録を示して反論します。ところが、ところが、多くの場合は会社側の示した労働時間記録よりも長い労働時間が実態であったと認定されます。
その判定基準となるのは従業員自身の記していた日記であったり、家族の証言であったり、警備員の証言であったりと様々です。いくら会社がタイムカードなどの書類で時間を残していても、それだけでは残業が無かったことの証明にはならないのです。